靴に対する消費者の興味が高まる中、一昔前ではあまり聞かれなかったような質問が増えてきました。
「靴のお手入れといえば、アッパー部分と相場が決まっているもの!コバなんて気にする必要ないよ。」
という人も多くいるかと思います・・が、いやいやそれがなかなか馬鹿にできないのです。
どうでもいい様で実は良くない!
そんなさりげない靴の裏技的なメンテナンス「革靴のコバのお手入れ」について今回はお話をしましょう。
そもそも靴のコバはどんな役割を果たしているのでしょうか?
グッドイヤー製法の場合は靴底とアッパーを縫い合わせる場所で、マッケイ製法ではある意味で飾り(?)にしか思っていない人も多いようです。
しかし、実は想像以上に靴のアッパー(靴の甲部:ソールより上部の本体部分)をキズから守っているのです。
以前、コバの部分がアッパーより出ていない靴を履いたことがあります。
履き心地やデザイン性は別にして、サイドの部分にコバが無い状態で歩いていますので、壁などにぶつかると、ダイレクトにアッパーのサイド部分がキズになります。
少しでもコバがせり出しているとコバが先に壁などにぶつかり、キズから靴(アッパー)を守ります。
車で例えるならバンパーの様な役割でしょうか。
そんな経験をしてから「コバはこんな仕事もしているんだ」と気づき感心したものです。
また話が少しそれますが、コバのサイド部分を斜めに切り込みをいれて仕上げる「矢筈(やはず)仕上げ」やコバの縫い目の上にロウを置いて飾り付ける「ロウ目付け」など、"日本の靴職人技!"といわれる独特のコバ仕上げもあるくらい、日本人は伝統的にコバに思い入れがあるのです。
靴を履いてケアをしているうちに、コバは靴を縫い合わせる場所という認識から、キズを靴から守る防御壁へと頭の中でコバの立場がはっきりと変わりました。
防御壁であるコバは当然キズが付きやすいのでこのキズを補修していくことが大切です。
元々コバは靴を作るときにアッパーとソールを縫い合わせ周りの部分を硝子の破片などで漉いていきます。
当然革ですので毛羽立っているのですが、コバ用のインクを使用して色を付けるのと同時に、専用のコテで表面をなめらかにしていきます。
一般的には完成させる時の仕上げにはコバインクとコテを併用するのですが、キズ付いたコバにはなぜかこのコバインクだけではうまく使えません。
そもそも慣れていない我々にこのインクの扱いも難しく、インクを垂らしてしまったり、違う部分に塗ってしまったりと当社にその手の相談もかなりあります。
そんな現状の中、実はこのコバのケアの悩みを解決した商品があります。
「M.モゥブレィ ウェルトクリーム」というコバ専用の着色、保革クリームです。
これまでのコバの着色の悩みを吹き飛ばしてしまいそうなこの商品の使用法はとても簡単です。
布に適量のウェルトクリームを取り、コバのサイドの部分に塗っていきます。
仕上げにきれいな布で空ブキをすれば、コバ部分にきれいな"光沢"と"カラー"がよみがえり本当に靴がきれいになります。
染色力の高いクリームですので着色力も高く、また保革性を与える効果もあるという、一粒で二度おいしい商品に仕上がっています。
お部屋の掃除もそうですが、中央の部分ばかり掃除して、隅の部分にはホコリが残っていると部屋があまりきれいに見えないということがよくありませんか?
靴も同様にアッパーだけを一生懸命お手入れして美しく仕上がっていても、コバにキズがたくさん付いていると、本当の美しさは表現できません。
コバという見逃されがちな部分もしっかりとお手入れすることで靴の寿命を延ばし、革靴の持つ本来の美しさが引き立ちます。
目立たない部分ではありますが、そんな部分にまで徹底的に美しさを追求する。
是非、日本的美学を靴のコバに込めてケアしてみて下さい。
【M.モゥブレィ・ウェルトクリーム】
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