と尋ねてきたのはおしゃれな年配の女性でしたが、
足元を見ると靴の上からでも明らかに「外反母趾」とわかるほど母趾(足の親指)の付け根がぷっくりとふくらみ靴が伸びています。
「以前はハイヒールをはいて歩いてたのですが・・今はもう履けません・・。」
こんなセリフを聞くケースが女性を中心に本当に多くなってきました。
男女の比率を比べれば外反母趾は圧倒的に女性に多いことも特徴的です。
実際にR&Dのスタッフが日頃フットプリンターを使った「足型測定会」を行なって数多くの方の足を見てきましたが、
女性の外反母趾は想像以上に多く存在しています。
今回はそんな足の健康、快適歩行の敵とも言える「外反母趾」についてお話したいと思います。
まず「外反母趾」というのはいったいどのような状態を言うのでしょうか?
文字からも想像できますが、母趾(足の親指)が外側に反るという意味です。
「外側に」というのは体の中心から見て母趾が外側ということですので、
自分の目で上から足を見て、右足ならば母趾が右の方に、左足ならば左のほうに曲がるということです。
定義的に言えば右の絵のように母趾の曲がり角度が15度以上の場合が外反母趾ということになります。
簡易的な自己診断の方法として、大きな白い紙の上に立って誰かに足の周りを鉛筆でなぞってもらって下さい。
両足終わったら右の絵と同じように線を引き角度を測ります。
正式な方法ではありませんが目安として現状を把握することができます。
最低15度以上が外反母趾なのですが、軽度から重度までその角度や状態は千差万別です。
15度以下でも母趾が第二趾(手で言えば人差し指)に寄っている方はもちろん要注意です。
ちなみに外反母趾と対極にあるものが「内反小趾」(ないはんしょうし)です。
おおよそ想像がつくと思いますが、足の小指が体の中心に向かって内側に反ることです。
一般的な言葉としては余りなじみがありませんがこれも少なくはありません。
では外反母趾はどの様な原因で起こるものなのでしょうか?
時々「うちの母親がひどい外反母趾なのですが私もなりますかね?」と尋ねる方がいらっしゃいますが、
外反母趾自体は遺伝するものではありません。
しかし親子であればその骨格や体質が似ていることが多いので、母親が外反母趾の場合には、なる確立は高いと言えます。
その他に外反母趾の原因として挙げられるのは「開張足」です。
「開張足」の時にお話しましたが、横アーチが伸びて足の横幅が広がるため、
靴の左右から圧迫されたり、つま先が靴の先に入り込んでいく為に、指などの変形を起こします。
特に開張足の方は先の細い靴やパンプスやハイヒールは注意が必要です。
但し、よく外反母趾だからといってやたらと幅の広い靴を履いて「これなら当たらないし、ひどくならないだろう」
と決めつけている方もいらっしゃいますが、根本的な解決になっていません。
かえって靴の中でゆとりがあり過ぎるため、気がつけば外反母趾が悪化しているというケースもあります。
それではここで外反母趾の方が気をつけるべきポイントをお教えしましょう。
靴はつま先が極端に尖っていない。指先がある程度動くスペースがあるものを選ぶ
土踏まずとつま先裏の中足骨のパッドがしっかりと付いている靴、
またはパッド付きのインソールを入れることで、横アーチを健康な状態に戻しながら土踏まずを支えて体重移動の衝撃を和らげる。
靴の革はある程度の柔らかさのあるものを選ぶ。
ヒモ(またはベルトの)靴でしっかり甲の部分を固定し足が靴の中でズレないようにする。
寝る前などに足の指でグー・チョキ・パーじゃんけんをして弱った横アーチの靭帯を強化する。などがあげられます。
おおよそこれらの対策を取りながら様子をみるのですが、
外反母趾がひどくなってしまうと本当に手術をしなければならないケースもあります。
外反母趾でお悩みの方は、できるだけ専門の靴店や整形外科にご相談下さい。
外反母趾という言葉は一般的には認知度が高いのですが、危機感を持っている方は少ないように感じます。
外反母趾は長い時間をかけてできた骨の変形、脱臼のようなものですので簡単には直りません。
難しい問題ではありますが、大局的にみれば(特に女性は)TPOに合わせた靴選びの理解と外反母趾の予防法を啓蒙していくしかないでしょう。
冒頭のお客様の様な言葉があまり聞かれなくなる日を祈りつつ、今回の話を締めさせて頂きます。
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