プロ・ゴートブラシのお話
プロ・ゴートブラシのお話
「ホコリ等を落とすブラシはホースヘアのブラシを使って・・・。」
「靴クリームを塗る際は、塗布用の小ブラシで・・・。」
「クリームを塗った後は、毛に腰のある豚毛のブラシでしっかりとブラッシング を・・・。」
上記のフレーズはR&Dシューケアマイスターが、靴磨き講習会やプロモーションなどで使うお馴染みのものです。
ご存知の通り、靴のお手入れにとってブラシは欠かすことのできないアイテムです。当然、靴クリームはお手入れに必要不可欠ですが、その効果を最大に発揮させるためにはシューズブラシが欠かせません。
一昔前は、あのインスタントの液体靴墨が大量に流通した影響か、靴用ブラシが市場であまり売れなくなった時期もありました。しかし、靴を長持ちさせるためには、やはり乳化性の靴クリームが必要であるということが、見直されてきた昨今では、再び靴用ブラシに脚光があたり、良く売れるようになりました。そんな中で、当社が新たに発売した皮革製品用のブラシが、やわらかいヤギの毛を使った「プロゴートブラシ」です。そこで今回はこのヤギ毛のブラシについてお話ししたいと思います。
まず冒頭のフレーズの通り、靴用のブラシは塗布用、ほこり落とし用、ツヤだし用等、用途によって使い分けられています。では、やぎ毛のブラシはどのような場面で使用するのでしょうか?そのヒントは、毛のやわらかさにあります。ヤギ毛はブラシの中では、比較的柔らかい毛として分類される“馬毛ブラシ”よりも細くフワッとした触感です。一般的に靴以外ではヤギ毛はその柔らかさから、女性のお化粧用フェースブラシやチークブラシに使われているほど繊細なのです。また、少々ニュアンスが違いますが、カシミヤやモヘア等の柔らかい素材も山羊種の毛から作られている毛織物です。
このように柔らかい毛の質感を利用してのブラッシングは繊細なタッチを生み出し、ヌメ革やその他のソフトレザーを使用したバッグ、ジャケットのブラッシングに向いています。また、表面の光沢感が大切なエナメル革や爬虫類革などの特殊素材にも適しています。特にエナメル革の靴などは、これまで基本的にブラッシングはあまりおススメできませんでした。そのため、コバ周りや細部のホコリ落としがネックでしたが、このヤギ毛ブラシを使えばその問題は解決されます。
さらに、裏技的な使い方になりますが、鏡面仕上げ(ハイシャイン)の最後に残る布で磨いた細かい痕跡を消すこともできます。つまり、革の表面に残ったブラシや布などの跡(線)を消して、表面を均一化することで、より美しく鋭い光沢を出す作業にも向いているということで す。そして、鏡面仕上げにおける、このブラシの裏技をもう一つ紹介します。ハイシャインの初 期段階の作業で、ある程度の量のワックスを布ですり込んでいく際、布の代わりにこのヤギ毛の ブラシを使用します。ブラシの柔らかく細い毛先を利用して、革にワックスを刷り込んで下地 (ベース)を作る作業にも適しています。(※この作業に使用したブラシは毛先にワックスの成分が残るため専用ブラシとしてご使用下さい。)
このように従来のブラシと違う用途がいっぱいの「プロゴートブラシ」は、ここでは紹介されていない新たな使用方法もあるかと思います。是非、色々な用途にご活用いただき、新たなる使用方法を見つけ出すのも、この新しいブラシの魅力なのかもしれません。
今回ご紹介した商品
【プロゴートブラシ】
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