オーストリッチのお話

「オーストリッチのバッグのお手入れ方法を教えてください。」

最近このような質問をよく受けるようになりました。
オーストリッチの革は、ハンドバッグ、鞄、靴、財布、ベルト、帽子など幅広く使われています。
一昔前は、オーストリッチというと、なんとなく年配の方が愛用している革製品の
代名詞的なものでした。

しかし、近頃はビビッドなカラーやカジュアルなものも登場し、
いわゆるエキゾティックレザーの一つとして、若い世代にも広がりをみせています。オーストリッチ

そこで今回は高級皮革“オーストリッチ”についてお話いたします。

オーストリッチ(ostrich)は英語でダチョウを意味します。
語源はオーストラリア、あるいはオーストリアに関係があるのかと思いきや関係は無く、
ラテン語のStruthio(ダチョウ)がその由来と言われています。
ダチョウは鳥類ですが飛ぶことはできません。
飛べない鳥の中では最大級で、時速50~70kmで走るほど走力に優れています。
皮革製品のイメージが強いダチョウですが、卵や肉は食用、羽はハタキや装飾品として、
ほとんどの部分が無駄なく使用されています。
ちなみに、オーストリッチ製品はワシントン条約で日本への持ち込みが規制されていますので、
輸入の際は原産地の証明書などが必要となります。

そんなオーストリッチ素材の特色は、何といっても表面の突起部分です。オーストリッチ
この突起は羽が生えていた部分で「クィルマーク」と呼ばれています。
この凹凸が独特の立体感を作り出し、高級感のある雰囲気をかもしだすのです。
オーストリッチのシンボルであるこのクィルマークがある部分(面積)は、
ダチョウの背中を中心にごく一部分で、皮革全体の40%程度しかありません。
クィルマークが無い部分も製品になりますが、
マークが少ない製品は当然のことながら安価になります。
それに対して、マークが製品の細部までいき渡っているものは「フルポイント」と
呼ばれ、オーストリッチ製品の中でも価格や評価が最高のものになります。

また、素材の最大の売りは軽量で柔軟性としなやかさがあるのに、とても丈夫であることです。
表面にはあまり光沢感はありませんが、使い込むほどにツヤが増してきます。
靴には軽くて丈夫、ソフトで足なじみが良い点から、最適な素材の一つと言えるでしょう。

お手入れは天然皮革ですので当然必要ですが、大変簡単です。

バッグやサイフは“Mモゥブレィ・デリケートクリーム”を全体に塗りこんで空拭きして下さい。
より光沢感を出したければ、“M.モゥブレィ クリームエッセンシャル”を代わりに使うことも可能です。

靴に関しては、新品の間はデリケートクリームでケアし、キズなどが入ってしまったら、
“Mモゥブレィ・シュークリームジャー”で補色、保革をすればOKです。

このように皮革の中では珍しい、鳥類の皮革「オーストリッチ革」は、
独特の美しさと雰囲気のみならず、他の素材とは異なる優れた特長を持っています。

チャンスがあれば、是非オーストリッチ製品をコーディネイトして、ファッションや素材感を楽しんでみてはいかがでしょうか。

【Mモゥブレィ・デリケートクリーム】
【M.モゥブレィ クリームエッセンシャル】
【Mモゥブレィ・シュークリームジャー】

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