スエード補色のお話
スエード補色のお話
「スエード靴の色アセをなんとか直したいのですが・・・。」
スエード靴が全体的に白っぽく色アセし、補色したいというご相談はかなり多く
見られます。
今回は起毛皮革素材で最も多い悩みのひとつ「スエード・ヌバック素材の補色」
という点について掘り下げてお話ししたいと思います。
まずスエード・ヌバック素材が色アセする理由については、以前のシューケア
情報「スエードスプレーのお話」の中で「スエード素材もスムースレザー同様
乾燥が大敵です」と申し上げました。
起毛してあるとはいえ皮革なので潤いが無ければ乾燥し肌荒れを起こして
色がアセてきます。
「M.モゥブレィ スエードカラーフレッシュ」を使用すれば潤いと
栄養分が吸収されて、色アセが防げるわけです。
新品のうちからマメに「M.モゥブレィ スエードカラーフレッシュ」さえ
しておけば、本来は乾燥による色アセは起こりません。
しかし、フレッシュスプレーをおろそかにして、色アセ
してしまうケースは後を絶ちません。
ちなみに「M.モゥブレィ スエードカラーフレッシュ」
を使用しない状態(乾燥状態)で、“市販の一般的な防水
スプレー”をひたすらスエード靴にかけているケースを
よく見ますが、防水スプレーは栄養分や潤いを含んで
いませんので、表面的には水や汚れに強くなりますが、
皮革の乾燥が進みます。乾燥しているものはキズやシミなどに対しても弱く、
ちょっと擦れただけでキズが付いたり、色が抜けたりもします。
とにかくスエードは“潤い”と“栄養分”さえ補給していれば、鮮やかな色合いで
保つことができます。
では実際に“色がアセしてしまった起毛皮革靴”の補色はどのくらいの効果が
あるのでしょうか?
少しぐらいの色アセでしたら「M.モゥブレィ スエードカラーフレッシュ」を
全体にスプレーすれば、スエードカラーフレッシュには乾燥した
起毛皮革の色を発色させる効果がありますので、乾燥で沈んでいた色が、
本来のカラーに蘇生します。
しかし、色アセがひどいものに関しては、補色しなければ本質的に色は
蘇りません。
ただ、スエードやヌバックの補色そのものはそれほど難しくありません。
ご存知の通りスエードの補色にはスプレータイプとリキッドタイプの2種類が
存在します。
使い勝手からいえばスプレータイプの方が便利な感じがしますが、R&Dでは
先にスポンジが付いている“リキッドタイプ”「FAMACO スエードカラーダイムリキッド」をお薦めしています。
意外に思うかもしれませんが、スエードの補色に関しては、スプレータイプ
よりもリキッドタイプのほうが効果的かつ簡単だからです。
両者を簡単に比較してみましょう。
まず、スプレータイプは液体を霧状にして噴出しますので、かなり広範囲に拡散します。
均一には付くのですが基本的に表面的な補色ですので、毛足の長いスエードなど
には少々苦戦します。
また靴に使用する場合 “コバの部分”や“靴の内側”にスプレーの色が付かない
ようにマスキング(隠すこと)が必要ですし、さらに床が汚れないように
新聞紙などを敷く必要もでてきます。
それに対してリキッドタイプはスポンジに補色剤をたっぷりしみ込ませて
塗れば、しっかりと浸透し、補色も毛一本一本にきっちりと馴染みますので、
補色効果においてもリキッドに軍配があがります。
当然マスキングなどは不要で、どこでも容易に使用できるのです。
「でもリキッドよりもスプレーの方が均一できれいにしあがりませんか?」
と質問する方も多いのですが、スエードダイムリキッドはペンキのように上塗りする
ペイントではありません。
染色した後にスエードブラシでブラッシングすれば、いかにも塗ったという痕が
残るということはありません。
また「FAMACO スエードカラーダイムリキッド」は補色のみならず、
潤いや栄養補給も同時に行いますので起毛皮革には必要不可欠な商品です。
スムースレザーでいえばカラーの乳化性靴クリームと同類の製品だと思って
ください。
補色ですので靴の色とぴったり合っていなくても、ある程度近い色ならば
きれいに仕上がります。
スエード靴に付いたキズは放っておけばどんどん深くなり補色しても直りにくく
なるので、小さなキズでも気づいたときは簡単に使用できる
「FAMACO スエードカラーダイムリキッド」で常に補色をしてください。
そして、補色が自由自在になれば、あなたもスエード・ヌバック靴を完璧に
履きこなす達人になれる!・・・かもネ。