スエードクリーナーのお話

ここ数年、スエード靴の人気がうなぎのぼりです。
女性用のムートンブーツ(シープスキンスエード)や、男性でもカラフルなスエードのカジュアルシューズ、ビジネスシューズを履く人が増えてきました。
必然的に、当社にもスエードのお手入れに関する問合せが急増しています。
その中でも断然多いのは、汚れ落しに関する質問です。そこで今回は、スエード、ヌバック素材の汚れ落し(クリーナー)についてお話いたします。スエードの汚れ落しと言っても、ブラシ、クリーナー、シャンプー、消しゴムなど、様々な商品があるので、お手入れをしたことのない方は、「何を使えば良いのか、わかりません・・・。」など難しく感じているようです。
R&Dといえば“靴を水で洗う!”ということで、とにかくスエードシャンプーというイメージが強いのですが、そこは我々もプロです。「なんでもかんでも洗って下さい。」と言っている訳ではありません。当然、ケースバイケースで使用するクリーナーも変わってきます。
以前にも紹介しましたが、靴を洗うメリットは何といっても、革に染み込んだ汗、表面についた泥、雨染みなど“水溶性の汚れ”を落とすことができるということです。水は浸透力があるので、皮革に染み込んで、汗、塩分、泥、雨などの汚れを水に溶かしながらシャンプーの成分で、すっきりと落とします。
また、革は濡れると柔らかくなるので、靴の型崩れを直し、シワを伸ばすことも可能です。靴を長持ちさせるために、スエードシャンプーは、必要不可欠なお手入れ用品なのです。
しかし、このスエードシャンプーも万能というわけではありません。例えば、油を含んだ食べ物が、スエード靴についてしまった時に付着する汚れは、いわゆる“油性の汚れ”です。当たり前ですが、油は水に溶けないため、シャンプーではあまり効果は期待できません。
この場合は、M.モゥブレィ スエードクリーナーを布にとり、拭き落としていくのが効果的です。スエードクリーナーは、汚れを落す能力の高い成分が主体のスプレーで、スエード皮革にダメージを与えないように、研究開発された商品です。つまり、軽く拭くだけで、手軽に油性の汚れなどを落とすことができるのです。衣類の洗濯に例えれば、スエードシャンプーが「水洗い」、スエードクリーナーは「ドライクリーニング」と言えばイメージしやすいと思います。
ドライクリーニングとは、水を使わずに有機溶剤(簡単に言えば石油、灯油などの油系のもの)を使用するクリーニング方法です。
ご存知の通り、ほとんどのクリーニング店ではこの方式が採用されています。水を使わないため、衣類の型崩れや縮みなどが起こりにくいことが、その特長の一つです。
つまり、スエードクリーナーは、素材の表面を軽く布で拭くだけで、簡単に汚れが落ち、水洗いで起こりうる皮革の伸縮(※注意 下記参照)もほとんどないので、日常的に行うスエード靴のケア商品として欠かせないということなのです。

また、流行のムートンブーツ等、皮革がソフトで、毛の一本一本がとても細く繊細な素材に関しては、“消しゴムタイプの部分汚れ落し”で擦るより、スエードクリーナーの方が、はるかにダメージが少なく、汚れもよく落ちます。
使い方は、指に巻きつけた布に、M.モゥブレィ・スエードクリーナーを含ませて、表面を軽く拭いていくだけです。
起毛皮革素材の風合いはそのままに、汚れを的確にキャッチすることができます。稀にですが、あまりの汚れ落ちの良さから、素材が痛むような感覚に陥ってしまう方もおりますが、イメージとは裏腹に素材にも優しい商品なのです。
当社ではここ数年の起毛皮革素材ブームの中、人気が急上昇するとともに、スエードのケアに欠かせない絶対的な存在となりました。スエード靴の汚れでお悩みの方は、ご家庭でできる靴のドライクリーニング「M.モゥブレィ・スエードクリーナー」を是非お試し下さい。

※(注意)スエードシャンプーによる靴の水洗いは、洗浄の際の皮革の伸縮の特性を利用し、乾燥時にシューキーパーを使用することで、靴の型崩れや、シワを伸ばすことが可能です。したがって、ここでいう「水洗いで起りうる皮革の伸縮」とは、悪い(デメリットの)意味ではありません。

 

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